斜・横ドラム式全自動洗濯乾燥機
全自動洗濯乾燥機は本格的な乾燥機がついた洗濯機です。衣類を乾燥させるためにドラムが横(または斜め)向きに取り付けられています。このドラムを一旦外すと元に戻すときに重力の影響で軸の重心がずれる可能性が高くなり、故障の原因となります。従って、ドラムの取り付け時にドラムが垂直になるように本体を横にする必要があり、高度な技術と設備を要するため、修理工場以外のでの作業はお勧めできません。
以上より、斜または横型ドラム方式全自動洗濯乾燥機の分解手順は割愛させていただきます。悪しからずご了承ください。
二槽式洗濯機
二槽式と二層式
二槽式と二層式、2つの表現がありますが、正しい記載と意味について説明します。「槽」とは、たらいのような容器のことを言い、洗濯槽以外にはあまり使われない言葉です。一方「層」は重なったものという意味で、いろいろなところで使われています。従いまして、あまり使われない「槽」を、誤ってよく使われる「層」と表記された(誤記)と考えるのが妥当かと思います。
誤記に至った原因
このような誤記に至った原因は次のとおりです。二槽式とは洗濯槽と脱水槽の2つの槽があるものを示します。一般に左が洗濯槽で、右が脱水槽となっています。一槽式という場合は、一般的な全自動洗濯機を示します。槽はひとつですが、中の槽が2重になっているので、表現を変えれば二層式ということもできます。話がややこしくなりますが、無理にまとめるとしたら、二槽式の洗濯機のそれぞれの槽は単層(一層)であり、一槽式(短槽式)の洗濯機の槽は二層になっているということです。
正しい表記
正しい表現としては、二槽式洗濯機、一槽式洗濯機とするのが適当であると考えられます。なお、二槽式洗濯機のそれぞれの槽は一層式であり、一槽式洗濯機の槽は二層式です、
汚れる原因
本題に、少しだけ戻します。洗濯機の分解洗浄がなぜ必要かというと、全自動洗濯機の場合、槽が2層になっているからです。2層とは、内側と外側の2層です。2層式であるがゆえに内側の層の外側と外側の層の内側の部分に隙間があり、ここに汚れ(カビなどの雑菌)が付着して溜まっていきます。ここは手もブラシなどの用具も入れられないほど狭いので、きれいに洗浄するには分解するしかありません。
分解が必要な理由
もう少し本題に戻しますが、2層式の場合は2つの層の間が汚れるのでクリーニングが必要です。ところが二槽式洗濯機の場合、単層ですので手が届かないところはどこにもありません。従って、洗浄のために分解する必要はありません。強いていうなら、洗濯槽の中に水をかき混ぜるパルセーターという部品がありますが、こちらの裏側だけはもちろん汚れてしまいます。ただ、汚れの量も知れていますし、どうしてもきれいにしたい方はこの部品をネジ回しなどの適当な工具を使って外してください。脱水槽の方は、2層式になっていますが、仮に汚れていても水を遠心力で吹き飛ばすだけなので、その汚れが衣類に戻ってくる可能性はあまり高くありません。