掃除において拭く・擦る・磨くための清掃用具
清掃に便利な器具
クリーニングに使用されるツールは、数多くありますが、今回は拭く・擦る・磨くために便利な小道具の説明です。油汚れや水垢などのうち凝り固まった汚れはスクレイパーやケレンで削り落とした後、残った汚れをこちらで紹介する器具で仕上げていきます。材質は布・繊維類やスポンジなどのものが多いです。使い方次第では、作業効率が格段に向上する場合もあるので、是非、有効に活用してください。
布ウエス(雑巾)
作業用ではウエスと呼ばれている布です。タオルも雑巾もウエスも大差はなく、用途によって呼び名が違うということです。ウエスの場合は油にまみれて使用する工業用という意味で、ボロ布(きれ)ということもあります。このボロ布を英語でいうとwaste clothであり、このウエイスツ(waste)がウエスの語源だと言われています。ただ、ボロ布というとキレという言葉が切れ端というイメージを持っており、工業用では実際に切れ端を使用することもありますが、ハウスクリーニングでは、きちんとした専用の布を使います。そうしないと汚れを落とすどころか、返って汚くなるかもしれません。
紙ウエス
紙製のウエスで基本的に使い捨てです。クッキングペーパーが少し丈夫になったようなものです。清潔さが要求されるような場所や汚れ過ぎたところをいっぺんにふき取りたいときに使用してください。
クリーンスポンジ
おなじみのスポンジです。キッチンやバスで活躍していますが、写真は汎用タイプです。
パルスイクロス
いろんな番組で紹介されて話題になった魔法のような布巾です。特に油をふき取ったあとに水で洗い流すだけで布巾が元通りきれいになります。油が水だけで取れるところがすごいところです。類似品は100円均一ショップでも売られています。一度、試してみる価値はありますが、汚れを落とすのにそれほど大きな効果があるわけではありません。油をふき取ったあとの、このクロスが水だけできれいに戻るということです。拭きとして使う分には普通のウエスとあまりかわらないので、お間違いのないようにしてください。
クロスパッド
こちらは、一般名称がないので商品名で紹介します。表面がマイクロファイバーでできてるだけなのですが、使い勝手が良く、適正な洗剤を使用すれば油汚れや水垢などもきれいに落とせます。洗浄という意味ではパルスイクロスよりもはるかに重宝します。さすがにパルスイクロスのように水では元に戻せませんが、耐久性が高く洗濯すれば何回でも使えます。1年くらいは普通に持つので、値段は普通のスポンジや布巾より高いのですが、結果的にはかなり安くつきます。損はしなので、是非、一度お試しください。
マイクロファイバークロス
こちらはマイクロファイバーをそのまま布巾にしたものです。洗浄に使用するというより、洗浄した後の洗剤や水分をふき取る方に向いています。今では100円ショップで販売されるほど手軽に手に入りますが、昔はパルスイクロスのように話題になったこともあるくらい便利なものです。
焦げ取りスポンジ
焦げ取り用のスポンジで100均でしか売っているのを見たことがありません。ホームセンターにもあるのかもしれませんが、見つけられませんでした。名前は焦げ取りですが水垢や油汚れを落とすのにも使用できます。ただし、ステンレスが編み込まれているので、使用法を誤ると素材を著しく痛めます。プラスチック、ガラス類には適用できないので、絶対に使用しないでください。金属でもアルミのような比較的弱いものに使用するときも力を加えすぎないように細心の注意を払ってください。鉄やステンレスなら問題はありませんが、ヘアラインがある場合は、その目に沿って使用してください。くれぐれも力加減は様子を見ながらお願いします。
巻きまきがんこクロス
トイレットペーパーのような形の便利お掃除グッズです。洗剤を使わず水に濡らすだけで油汚れや水垢を落とすことができます。汚れを落としたら使い捨てるので、清潔さも保てます。ティッシュペーパーやクッキングペーパーと同じようにご家庭に常備しておけば良いかもしれません。
激落ちくん
商品はメラミンスポンジですが、「激落ちくん」という商品があまりにもヒットしたので商品名で紹介します。こちらも洗剤を使わず水だけで汚れを落とすことができます。用途に応じて多くのバリエーションがあるので、大差はないのですが選ぶのが大変です。100円ショップやホームセンターで売っています。激落ちくんのブランドにこだわらなければ、お徳用パックで袋詰めになったものも時々、見かけますがとにかく激安です。見た目はスポンジのきめが細かくなったようなもので、色は白です。表面の平らなもの、調理器具などの金属、食器などの陶器、ガラスなどのクリーニングに適しています。プラスチックにも使えますが、材質によってはキズがつくことがあるので注意してください。
清掃で剥ぐ・削る・引掻くための掃除器材
ハウスクリーニングに使用する器具
洗浄に使用する道具は、いろいろありますが、今回は剥ぐ・削る・引掻くために便利なツールを紹介します。例えば、油汚れや水垢などは、素材の表面に汚れが吸着または固着しているだけなので、これを削り落とすことができればきれいになります。そこで注意するのは素材を傷つけずに汚れだけを剥ぎ落さなければならないということです。固くて鋭い器材を使えば汚れを引掻きやすいのですが、素材を傷めるリスクは高くなります。逆にプラスチック製の道具であれば素材をキズつける心配はありませんが汚れを除去する能力は下がってしまいます。
スクレイパー
- 木柄付スクレーパー
このタイプのスクレイパーは、清掃用具としては大きな方です。木柄は力を入れやすいのですが、金属のため素材を傷めます。取り扱いには注意が必要です。
- ナルビー製スクレーバー
カッターナイフのような刃で、写真のものは3枚刃と呼ばれます。カッターナイフと違って、縦に溝があり、横に3枚に分割できます。分割後、1枚用のホルダーに装着すれば、1枚刃になります。用途に応じて幅を調節できるところが使い勝手の良いところです。鏡やガラスの水垢を削ったり、レンジ周りの壁に固着した油も削り落とせます。刃が鋭いので十分に寝かした状態で使用することと、湾曲した面やザラザラした面には使用できないことに注意してください。刃が鋭いので汚れを落としやすい反面、けがをしたり、素材を傷つけたりしないように気を付けてください。
- セイフティ・スクレイパー
サイズはナルビー製1枚刃と同じですが、カッターナイフのように収納できるので安全に使用できます。シールなんかも意外と簡単にはがせて、ご家庭に一つ、工具箱に入れておいても良いかもしれないほど、便利なものです。
ケレン
もともと塗装をはがしたりする作業をケレンといい、ドイツ語っぽいのですが英語のcleanが訛ったという説が有力です。それが、いつの間にか塗装をはがしたりする道具をケレンと呼ぶようになりました。ケレンもスクレイパーもヘラも同じようなもので、職種や用途で名称が違っているくらいに考えておいてください。
- プラスチック・ケレン
- ステンレス製ケレン
随分、形が違いますが金属製のケレンです。サッシやレンジフードの溝の汚れを落とす特に使います。そのままだと素材を傷めやすいので、ウエス(作業用雑巾)を当てたりして、使用します。
シロッコファンケレン
こちらは、換気扇のシロッコファン専用のケレンです。ファンの湾曲に合わせた形状をしていて、こびりついた油をガリガリ削り落とします。7mmタイプと9mmタイプがあるのでファンに合わせたものを選んでください。仮に合ってなくてもケレンを斜めに当てたりすれば十分に実用的に使えるので、サイズがわからない場合はどちらでも構いません。
代用品
ご家庭で道具を揃えてまで本格的にクリーニングするほどではないという方には、代用品を使ってください。スクレイパーはヘラでも良いですし、金属製ケレンは、マイナスドライバーや彫刻刀でも構いません。プラスチックケレンはクレジットカードやポイントカードの古くなったものを捨てずにとっておき、ケレン代わりに使ってください。結構、重宝します。
隅・隙間などをクリーニングするための掃除器材
洗浄に使いやすい便利な器材
清掃のときに使用される器具は、さまざまな種類がありますが、ここでは隅や隙間などをクリーニングするために便利なツールをまとめてみます。隅に残った汚れは目立つので、ここがきれいになっていれば全体の印象がかなり変わってきます。ウエス(雑巾)で拭いただけでは隙間や隅っこには届きにくく、クリーニングしても汚れが残りやすい所です。ここの清掃にはブラシが最も効果的です。ブラシの毛先を上手く隅に当てることができれば、落ちにくかった汚れをきれいにすることができます。ブラシには硬さや長さや形にいろいろんなものがあり、用途に応じて使い分ければ何でもきれいにすることができます。
目地ブラシ
目地ブラシ、2ウエイブラシなどの名前で販売されています。柄の両端がともにブラシになっていますが、片方が固め(ハード)でもう片方が柔らかめ(ソフト)になっており、クリーニングする場所の形状や素材、汚れによって使い分けることができます。目地ブラシという名前であっても目地専用ということは全然ありませんので、むしろ万能というのは言い過ぎであっても汎用には間違いありません。台所でもお風呂場でも使い道はたくさんあります。
サッシブラシ
アルミサッシの溝を掃除するのに適したブラシです。毛先が長いのでエアコン、洗濯機、冷蔵庫などのプラスチック部品で、手が届きにくい奥の方をクリーニングすることができます。用途はほかにも他にもいろいろ考えられるので工夫してみてください。100均ショップで手軽に買えるので便利です。
洗車ブラシ
自動車用のブラシですが。風呂の浴槽パネルや扉など比較的大きな部位をザッと洗うのには洗車ブラシくらいの大きさがぴったしなんです。毛先が長めなので、多少凸凹があっても隅の方までしっかり届きます。また柄が長いものであれば、エプロン内部の奥の方でも洗浄することができます。洗剤を着けおいて、シャワーを強めにして水で洗い流しながら洗車ブラシでこすれば、こびりついたカビとかぬるぬるの雑菌が徐々に取れていきます。
スリムブラシ
細長い管の中を洗浄するためのツールです。パナソニックのお掃除エアコンのホースの中は、このようなブラシできれいにします。大きさ、長さもいろいろあるので、用途に応じて選んでください。
パイプブラシ
こちらは短めで、やや小さいタイプですが、大きさが数種類用意されたものです。こちらも用途に応じて使い分けるものです。
電源を必要とする清掃器材
AC電源・DC電源を使用するハウスクリーニング機材
今回はAC・DCを問わず電源を使う清掃用の機械を紹介します。専門機材となると価格が手ごろなものはなかなか少なくなりますが、持っていて損はないものもあるので、皆様の環境に併せてご検討ください。
電気掃除機(ドライ)
一般的な、ご家庭用の掃除機です。特に説明は必要ないと思います。
電気掃除機(乾湿両用)
こちらは乾湿両用で水も吸い取ることができます。カーペットやフローリング床を水や洗剤で洗浄した後に水分を吸い取るのに使用できます。
ハンディ掃除機
小型のハンディータイプです。AC電源だけでなく、カー電源(シガレット)やコードレス充電式もあります。あまり粗悪なものは安くても吸引力が低いので、購入時には注意して下さい。
ポリッシャー
写真は床用で、水や洗剤を流しながら使用できるタイプです。ポリッシュとは磨くということで、ポリッシャーは光沢や艶を出すため器材というのが本来の意味です。水性ワックスが主流のころはワックスをかけた後にポリッシャーで磨いて仕上げていたのでこのような名前が付けられたと考えられます。しかし、今は仕上げにはポリッシャーを使わない樹脂製ワックスが主流なので、名前と用途が一致しません。現在は床やカーペットを洗って汚れを落とすときにこのツールを利用しています。ご家庭で用意するなら自動車用などのハンディタイプが手頃で良いのかもしれません。
高圧洗浄機
高圧洗浄機は海外ではポピュラーな家庭用器材で、自動車の洗浄によく使われます。水道から水を流しながらブラシで洗うのが日本のスタイルですが、アメリカでは高圧洗浄機で汚れを吹き飛ばすイメージで洗車します。高圧洗浄機には洗剤を噴射させる機能を備えたものもあり、洗車だけでなく、玄関やベランダ、ブロック塀や外壁などのクリーニングに適しています。面倒なのは使用するまでに電気と水道を接続しなければならないことです。水に関してはタンクを備えたものもあり、その場合は電源さえあればどこでも使えます。
スチームクリーナー
高圧洗浄機が高い圧力を利用して汚れを落とすのに対して、スチームクリーナーは高い温度を利用して汚れを落とします。油は低温や常温では固くても、高温になると柔らかくなり落としやすくなります。また排水口のなかのヌルヌルした汚れもスチーマーを使えば奥の方まできれいになるとともに、除菌までしてくれるシロモノです。ただ、間違って欲しくないのはテレビショッピングでやっているような落ち方はほとんどありません。あれは詐欺のようなもので、最初から落ちやすい汚れに対して大げさなパフォーマンスで購買意欲をあおって大量販売しているだけです。効果は十分ありますが、大根役者の芸とさくらのお客さんには騙されないでください。彼らは金のためにはなんでもやります。もし、安く手に入れたければリサイクルショップで探してください。騙された消費者が処分に困って、買い取ってもらっています。
パイプヒーター
バケツなどのコンテナに入れた水や水溶液を温める器材です。油汚れを洗剤のつけ置きで洗浄するとき、このツールを用いて温めれば効果は倍増します。もし、購入される場合は温度設定ができるタイプを選んでください。それがないとスイッチのオンオフでしか温度の調節ができず、思った以上に不便です。また、使用を想定した容器のサイズにあったものを選んでください。これも使い勝手に大きく影響して、合ってないと結構ストレスになります。