識別の仕方
汚れには対象物とそれを取り巻く環境によって多くの種類があり、ホコリなどの比較的軽い汚れから、変性油やサビ・コゲ等の取り除きにくい汚れまで多種多様です。汚れの種類を判別し、除去方法を選ぶためには何によく溶けるのか(溶解性)、汚れがどのように付いているのか(付着状態)の2つの点から識別します。
溶解性による分類
・水溶性:水に溶ける
飲料(ジュース、日本酒、ビール、コーヒー、お茶など),調味料(醤油、ソース、ケチャップなど)、でんぷん類(小麦粉、片栗粉など)、その他(たばこのヤニ、血液など)
・油溶性:油や溶剤に溶ける
ワックス、粘着テープ、ガム、口紅、マヨネーズ、バター、油性マジック、クレヨンなど
・両溶性:水と油の両方に溶ける
ミルク、卵、チョコレートなど
・不溶性:水にも油にも溶けない
ホコリ、繊維、木くず、土砂、尿石、水垢、鉄サビなど
付着状態による分類
上の方ほど除去しやすく、下に行くほど取れにくくなります。
・引力:重力や分子間引力によるもの
土砂などの汚れ全般
・静電気:静電気の吸引力によるもの
ホコリ、髪の毛など
・浸透:繊維や多孔質の物質の内部にしみこんだ汚れ
カーペット、木などの汚れ
・粘着:粘着力・粘度が高いもの
粘着テープ、油汚れなど
・生物的吸着:微生物や細菌によるもの
カビ、バクテリアなど
・固着:付着した汚れが硬化したもの
水アカ、湯アカ、尿石など
・化学変化:汚れと素材が化学反応したもの
金属のサビ、樹脂の黄変など