家庭用エアコン(クーラー)には、室内機内部の清潔を保つための「エアコン内部クリーン」機能が備わっています。しかし、内部クリーンの実行時に不快なカビ臭が発生することがあり、この機能を正しく活用するためには理解が必要です。
この記事では、エアコンの内部クリーン機能について詳しく紹介し、その効果や実行時の留意点についても解説します。
エアコンの内部クリーンとは?
エアコンの内部クリーン機能は、室内機内部を乾燥させるための仕組みです。これにより、カビの発生や汚れの付着を抑制し、エアコンからの不快なニオイを防ぎます。内部クリーンの機能や実行にかかる時間、電力消費について詳しく説明します。
内部クリーンは「清掃」ではなく「乾燥」
エアコンの内部クリーンは、内部の「清掃」ではなく「乾燥」を行うものです。その名前から混同されることがありますが、内部クリーンを実行してもすでに付着しているカビや汚れは取り除けません。カビや汚れを気にする場合は、別途エアコンの清掃を行う必要があります。
内部クリーンは、基本的に「送風による湿気排出」と「暖房による乾燥」のメカニズムを使用します。エアコンが冷房運転中に内部の空気が冷やされ、結露が発生します。この冷たく湿った状態は、カビの繁殖に適した環境です。特に夏季など冷房運転が頻繁な時期には、内部クリーンを実行して室内機内部の湿度を抑えることが重要です。
なお、内部クリーンの名称はメーカーによって異なり、内部乾燥、エアコンクリーンなどが使われることもあります。詳細は取扱説明書やメーカーのウェブサイトを確認してください。
「自動運転」と「手動運転」の2つの実行方法
エアコンの内部クリーンを実行する方法は、「自動運転」と「手動運転」の2つがあります。自動運転を設定している場合、冷房運転後に自動的に内部クリーンが実行されます。しかし、冷房を使うたびに内部クリーンが動作するため、必要でない場合は設定を解除することが重要です。
一方、手動運転を選択すれば、自分が希望するタイミングで内部クリーンを実行できます。特に夏季など冷房を頻繁に使用する時期には、自動運転だけでなく手動運転も活用しましょう。内部クリーンは室内機内部が十分に乾燥した時点で自動的に終了します。
内部クリーンの所要時間と電力消費
内部クリーンの所要時間は一般的に90分から120分程度です。冷房運転時間が長いほど、内部クリーンの実行時間も増える傾向があります。ただし、メーカーやモデルにより若干の違いがあるため、約2時間程度を目安にしてください。
内部クリーンの1回あたりの電力消費は、一般的に1円から5円ほどと言われています。たとえば、内部クリーンを1日2時間実行し続けた場合でも、月の電力代は約30円から150円程度になる見込みです。カビの増殖を予防するために内部クリーンを積極的に実行しましょう。
エアコン内部クリーンの効果
エアコン内部クリーンの実行には以下の効果が期待できます。
- カビの増殖抑制
- 汚れの付着防止
- 不快なニオイの軽減
不快なエアコンの臭いは、室内機内部のカビやホコリから発生します。内部クリーンを定期的に実行して、カビの増殖や汚れの蓄積を防ぐことが大切です。
カビの増殖抑制
内部クリーンの主要な役割は、カビの増殖を防ぐことです。内部クリーンは室内機内部の湿度を低く保つため、カビが繁殖しにくくなります。冷房を使用する季節には、内部クリーンを定期的に実行して室内機内部の湿度を管理しましょう。
エアコンの使用中にカビ臭い臭いがすると、室内にカビの胞子をまき散らし、アレルギー性鼻炎や呼吸器の問題、肺疾患などを引き起こすリスクがあります。エアコンの清掃を怠ることは、健康への悪影響をもたらす可能性があることを覚えておきましょう。
汚れの付着防止
室内機の内部は、エアコンが稼働している間、常に外部からの空気を取り込んでいます。その中には多くのホコリや微粒子も含まれています。室内機内部の結露や湿気がこれらの微粒子を吸着し、汚れの蓄積につながります。
この汚れは室内機内部のカビの栄養源ともなります。内部クリーンを定期的に実行することで、乾燥状態を保つことができ、汚れの付着を防ぎます。
不快なニオイの軽減
エアコン運転中に感じる不快なニオイは、室内機内部に存在するカビやホコリに由来します。内部クリーンにより、室内機内部の乾燥が維持され、エアコンの特有の臭いが軽減されます。
ただし、内部クリーンは主に予防的な効果を持っています。すでにエアコンからカビ臭い臭いがしている場合は、内部クリーンを実行してもニオイは解消されません。カビや汚れの発生を抑制するために、エアコンの清掃を行い、それから内部クリーンを活用しましょう。
エアコン内部クリーンの適切な実行頻度
エアコン内部クリーンを効果的に活用するためには、次のガイドラインに従うことが重要です。
エアコン内部クリーンの実行頻度は、原則として「冷房または除湿を使用した後に毎回実行する」ことが望ましいです。内部クリーンは、継続的に実行しないと効果が発揮されません。室内機内部の湿度を適切に管理するために、冷房や除湿運転後に内部クリーンを行う習慣を持ちましょう。
特に夏季など、冷房や除湿を頻繁に利用する場合は、自動運転だけでなく手動運転も積極的に活用しましょう。また、暖房運転時には室内機内部が常に乾燥しているため、内部クリーンを実行する必要はありません。
エアコン内部クリーンの実行時のデメリット
エアコン内部クリーンを実行する際には、以下のデメリットに注意する必要があります。内部クリーンを実行する際は、なるべく家を留守にするか、周囲の環境に留意することが大切です。以下は主なデメリットです。
- 室内の温度・湿度が上昇する
内部クリーンの実行中、室内の温度は通常2℃から3℃上昇し、湿度も一時的に上昇することがあります。特に夏季は不快感が増す可能性があるため、実行タイミングに注意が必要です。 - カビ臭いニオイが充満する
内部クリーンを実行する際、室内機内部からカビ臭いニオイが発生することがあります。これは既にカビが増殖している可能性が高いことを示唆しています。カビの発生を防ぐために、内部クリーンの前に室内機内部の清掃や手入れを行いましょう。 - 他の機能が使用できない
内部クリーンを実行している間、冷房や除湿などの他のエアコン機能は利用できなくなります。内部クリーンは中断することができず、所要時間は約2時間です。そのため、家を留守にして実行するタイミングを選ぶことが良いでしょう。
エアコン内部クリーンを実行しても、エアコン内部の清掃が不可欠
エアコン内部クリーンは、エアコンの室内機内部を乾燥させ、カビの増殖や汚れの蓄積を抑制するための便利な機能です。しかし、この機能は予防的な役割を果たすものであり、カビや汚れを完全に防ぐわけではありません。エアコン内部を清潔に保つためには、内部クリーンを活用するだけでなく、定期的なエアコンの清掃も不可欠です。エアコンの清潔を保つための手段として、内部クリーンを有効活用しましょう。
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